野菜の棲家

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遺伝子組み換え作物は悪なのか?

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遺伝子組み換え作物についてネット上で一方的に悪い物と決め付ける論調を見かける為、今回、冷静になって遺伝子組み換え作物について考えてみました。

まずは遺伝子組み換え作物とは、自然な交雑や人工的な交配とは異なり、作物に遺伝子操作を行い新たな形質を付与した作物です。主な形質としては第一世代は除草剤耐性、病害虫耐性、貯蔵性増大、第二世代は栄養素増大などがあります。

次に、2017年に世界で栽培されている遺伝子組み換え作物の種類はトウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネ、テンサイ、アルファルファ、パパイヤ、スクワッシュ、ジャガイモ、リンゴ、ナス、パイナップル、このうち日本への輸入が許可されている種類がトウモロコシ、ダイズ、ワタ、ナタネ、テンサイ、アルファルファ、パパイヤ、ジャガイモです。ちなみに日本では遺伝子組み換え作物の商業的栽培は許可されていません。

遺伝子組み換え作物=悪とした論調の根拠になる話としてはいくつかあると考えます。今回は2点程書きますので考えてみてください。

まず有名なのはフランスのセラリーニ教授の論文での下の写真です。

この写真はアメリカの穀物メジャーのモンサントによる遺伝子組み換えトウモロコシを2年間与え続けたら、ネズミにガンが発生したというもの。

この論文については多くの科学者が疑念を抱き「使用したネズミは2年近く飼育すると普通に腫瘍が出来やすい系統」「実験個体数が少ない。対照区と実験区が不十分」「この結果から悪影響があるともないとも結論は出せない」「正しい実験方法でやり直すべき」と評価されている。

また、同様にモンサントのダイズを用いサウスダコタ大学や東京都の健康安全研究センターが多世代(2〜4世代)の安全性試験をしており、他でも同様の研究は多数行われているが何ら有意差を見出せなかったと結論が出ています。

次にインドに於けるモンサントに対する最高裁の判決。この話をよく理解していない方々は、インドは遺伝子組み換え作物やモンサントを自らの力で排除したと盛り上がり、日本も続けと言われている。また、この問題ではインドに遺伝子組み換えのBt綿花が入り、自殺者が増えたという事実とは異なる情報が週刊誌などにも書かれた。が、下のグラフを見るとBt綿花の栽培面積が増えると共に農家の自殺者が減っている事が一目瞭然で分かります。

ところでインドが遺伝子組み換え作物を排除したのかというと否であり、モンサントを排除したかというのは多分モンサントが馬鹿で無ければインドで商売はしないだろうと思います。それは元々モンサントはインドの代理店を通じてBt綿花の種子を販売していたが、ある時期から代理店がライセンス料を払わなくなり、代理店が独自にBt綿花の種子を採取していた為、モンサントが代理店に対し特許侵害だと訴訟をしていた、つまり、元々はモンサントの技術だけど、インドの代理店が種子を採取し安定した生産が出来る様になった為、ライセンス料を払わず、特許を侵害した訳だが、インド最高裁はモンサントの特許権を認めないとしたという事です。

持論では、遺伝子組み換え作物も人工交配のF1種も自然交雑の作物もDNAが親とは異なっているので、そういう意味では何ら変わりは無いと思っています。

しかしながら、遺伝子組み換え作物の一番の問題は、ある特定の除草剤には強い事によって、周りの雑草は枯れて、遺伝子組み換え作物だけが残り、農薬の成分が遺伝子組み換え作物にしか残留しないという事や、特定の害虫には強いが雑草は生えてくるので殺虫剤の使用量は減少したが種子と除草剤がセット販売で結局農薬が残留する。つまり、収量は増えるが生活者(消費者)の視点ではないという事です。

だからといって基本的には基準を守り農薬を使用していれば、前述の通り安全性試験で多世代で差異は無い訳なので過度に気にする必要は無いとも言えます。

但し、環境ホルモンやストレスなどと複合的に影響を受けた場合にどうなるのかなどの試験までしているのか?農薬と他の食品に含まれる成分が何か影響しないかなどまだまだ研究出来ているか出来ていないか分からない為、農薬を使用している作物については気にした方が良いと考えます。

そして、遺伝子組み換え作物=悪としている人達は国産肉について、どの様に考えているのだろうか?加工品の遺伝子組み換え作物の表示についてはうるさく言うが、国産牛や豚や鶏に遺伝子組み換え作物を食べて育ったとの表示をしろとは聞いた事がない。日本の畜産が一番、遺伝子組み換え作物を飼料として食べているのが現実だというのに。

あくまでも本ブログについては遺伝子組み換え作物とは実際何者なのか、間違って流れているフェイクニュースや誤解されている情報に流されず、その上で遺伝子組み換え作物について考える一助になればと書きました。

個人的に、この様な遺伝子組み換え作物に関するブログを書きつつも消費者が少しでも疑念が残る様な野菜は極力作るべきではないし、農場に持ち込むべきではないとの考えです。

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百姓一喜

百姓一喜は京都オーガニックアクション協議会の主催です。

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